行け!AI課長! 【第1話】

203X年

AI(人工知能)などの技術革命により私たち人間の生活は様変わりした。

 

クレーム処理部門へのAI導入などはクレームを受ける社員のストレスをなくしたばかりでなく社会を変えた。

苦情を言う側もAIに感情的になっても仕方ないので

「ちょw、この商品なんか変なもの入ってたんだけどw」

と異常や不満を気軽に報告できるようになった。

不満を心に押し込めがちな日本人だが不満が怒りになる前に伝えることで、疲れて帰宅してきた夫を捕まえて愚痴を言う妻も減った。 

しつこいクレーマには音声認識により要望は受け付け済みであることを即座にAIが処理して対応する。社員(ヒト社員)は繰り返される同じ内容の苦情に無駄な時間を費やすことがなくなった。

 クレームは即座に発生日時・原因部署が明らかにされ原因の究明と対応策、再発防止策がまとめられ、各部署へ配信される。配信のされ方も、より効果的なインプットが考案されている。

 

とある会社では、退勤前に職場を出る際に小さなスペースを通過することになる。正面の液晶画面に社員一人ひとりに合わせて好みのタイプの人の姿が映し出される。人によっては好きな芸能人が現れ

「本日の◯◯商事の△△に対する苦情の原因はなんでしょうね。」

と質問してくる。改善策を3択で聞いてきたりと飽きさせない工夫もされている。

個室状態なので間違えても何を発言しても恥ずかしくない。気軽に話せる懺悔室だ。

「う〜ん、注意不足かな。昨日妻がなんだか機嫌悪くて喧嘩しちゃってさ、午後は集中力切れちゃったんだよね。」

「あら、そうなんですね。昨日は結婚記念日だったのに。もしかして何もプレゼントしなかったんじゃないですか?」

「うわ!忘れてたよ。そんなこと。今日何か買ってって謝らないと。何をあげればいいかな。」

「奥様、別にプレゼントが欲しいんじゃなくて早く帰ってきて一緒に過ごしてほしかったんですよ。最近残業続きでしたよね。今なら会社の向かいのケーキ屋さんがまだ間に合いますよ。美味しいってうちの会社の女性達にも人気みたいです。奥さん甘いものが好きですよね。」

「ありがとう、早速買って帰るよ。明日は気合いれ直して頑張るよ。」

「奥さん喜ぶといいですね。それと書類が山積みですから明日朝一番で整理ボックスに投げ込んでください。自動選別とファイリングしますのでケアレスミスを防ぎましょう。お疲れさまです。」

 

この後AIはこの社員が紙での非効率な仕事をデータ化へ移行するよう、100%データ化部署へ配属した場合をシミュレーションし、生産性が何パーセント上がるか、ミスは何パーセント減らせるか見込みを立てた。

そもそもこの時代にいつまでも紙に頼った仕事をしている時点でこの職員の資質が問われるのだが、それを差っ引いても彼はこの企業に有益な人材と判断されているということだ。今のところ。

 

AIの活用でこのように膨大なデータ(職員一人ひとりの些細な出来事)なども蓄積・分析され企業の業績アップや改善に導かれている。

 

しかし、ここMASU広告代理店ではAI導入によって少し困ったことが発生していた。

 

 

続く

 

予定。

 

 

あ、この話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

 

今のところ。

 

次回はついにAI課長登場⁈