あれはまだ私がうら若き頃…。あ、物語じゃないです。ノンフィクションです。ますです。
そう、うら若き頃とは本来どのくらいの年齢の頃なのか、調べることもしませんが、若かった頃です。
中学〜短大くらいはます、今よりかなり細い体型してました。
交通手段は徒歩or自転車だったからかも知れません。
その頃は脚も細かった。
細いけど、細いだけで、すとーんとまっすぐ。色気も味気もない脚してました。
そのせいか親からは「スカートは似合わん!」と言われ育ちました。
その洗脳のせいか、親の目が届かなくなった短大時代もさほどスカートを履いてませんでした。
短大時代も終わる頃、珍しくスカートを履いて街を歩いてた時です。
札幌の駅直結のデパート。
さて、服でもゆっくり見ようか。
エスカレーターで下の階へ降ろうとした時、事件は起きた。
ガクン。
両脚でコケたのだった。
なぜなのかはわからない。
ただ、放心状態となり、両脚ぺたりと座る形でエスカレータを下る、その時間は不思議と長く感じた。
「あらぁ」
向かいからエスカレーターで登ってきたご婦人は呟いた。
なんとか立ち上がりエスカレータから降りたのであろう。
その記憶は全くない。
冬場で黒ストッキングごしの脚はみるみる腫れていく。
血も滲んできた。
もちろんショッピングどころではなく家へ帰った。(はずだ。この時家へ帰った時の記憶も残ってはいない。)
短大時代の一人暮らしの部屋だったペンシルルームへ戻り、ストッキングを脱ぐとくっきりとエスカレータの縦線が脚の脛へ刻まれていた。
こんな時に限って滅多にないスカートだったのは何の因果であろう。
私は前世でスカートごしの脚で男をたぶらかしたとでもいうのだろうか。
前世で何かやらかしたとしても、現世でこの仕打ち…。
ただでは済まさない。
滲んだ血を止めるのもそぞろに、鏡に自分の脚を写し6Bの鉛筆で絵を書き始めた。
この痛み何かにしてやる…。
両脚の縦線の傷は、今でこそだいぶ薄くなってきたが、冬場、体調不良の時などはその傷が痒み出すの。
疼く、ってタイトルに書いたけど、
かっこつけました。
本当はただ自分の不注意でできた古傷が痒くなるだけです。
では、また!